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2.代替療法

2014年02月16日


(1) ヒプノセラピー(催眠療法)および瞑想法

【患者さんと家族向け】

『ヒプノセラピー』 ジャネット・フリッカー他著、産調出版
文庫本サイズながら、ヒプノセラピーの歴史、施術中どのようになるか、どのような症状に役立つかといった内容がかなり詳しく、それでいて全くの初心者にもわかりやすく書いてあり、お勧め。美しいカラー写真も豊富です。


 『あなたにもできるヒプノセラピー』A.M.クラズナー、VOICE
 『あなたの人生を変える催眠療法』リンダ・ローズ、雷韻出版


 『ヒプノトラベル』 榊めぐみ、朝日ソノラマコミックス
 催眠療法の現場を、かなり忠実に描いています(実際の治療はもっと地味で、症状改善に時間がかかることが多いですが・・・)。意識と無意識のしくみ、暗示やイメージをどのように使うかといった説明もわかりやすく、「催眠療法とはどんなものか」の感じを理解するのに良い本(マンガ)です。

 『なまけ者の3分間瞑想法』デイヴィッド・ハープ、創元社

 「瞑想=山寺で座禅」ではありません。普通の人が日常生活を送りながら、いつでもどこでも瞑想する方法が多数紹介されています。日常的な瞑想によって得られる「心のフィットネス効果」、すなわち穏やかさ、落ち着き、リラックス、安心感、自己や他者を認められる、感謝と喜びを感じやすくなる――に、読者は驚くことでしょう。歯磨きをする時、順番待ちの列に並ぶ時、道路の渋滞にはまった時、あるいは食事をする時さえ、周りに気づかれることもなくすぐに瞑想ができるって、知っていましたか?
またこの本は、後述の『マインドフルネスストレス低減法』『マインドフルネス認知療法』をよりよく理解するのにも役立ちます(認知療法自体については「精神医学・心理学」のカテゴリーをご覧下さい)。


『やさしいフォーカシング』 アン・ワイザー・コーネル、コスモスライブラリー
心と体はつながっています。心が緊張すると体も緊張し、体が緊張すれば心もまた緊張します。この本では、体に感じられる症状(例 痛み、凝り、こわばり、しめつけ感、重苦しさ、しびれ感など)を手がかりに、そうした症状へとつながる心の状態を把握し、より上手に対処する方法が述べられています。


『マインドフルネスストレス低減法』 ジョン・カバットジン、北大路書房
 著者は30年前から、アメリカの大学病院付属センターにて、他では治療不能として紹介されてきた、重度の慢性痛などの身体疾患、不安症などの精神症状を抱えた多くの患者さんたちに対し、瞑想訓練による「気づき」を得る方法を伝授し、効果を上げてきました。この本はそうした著者の、代表作です。


NEW ついに下記の邦訳本が出ました!
『うつのためのマインドフルネス実践』越川房子ら訳、星和書店(2012年11月刊)
瞑想用の日本語吹き替えCDつき(邦訳版は本+CD1枚のバージョンののみで、オーディオブックはありません)。

こちらが原書↓↓
"The Mindfull Way Through Depression" Z.V.Seagal et al, Guilford Press (英語。本+CD 1枚。本の内容もCD化した、CD4枚バージョンもあり)
 著者らは、認知療法がうつ病の治療に有効でありながら、再発を防ぐ点においては弱点があることに気づき、それを補強する技術を探した結果、上記カバット・ジン氏が教える「マインドフルネス」が非常に有効であることを発見しました。そこでマインドフルネスと認知療法を包括した技法を確立し、一般向けに解説したものがこの本です。誘導瞑想CDはカバット・ジン氏がナレーションをしています。
 著者らによると、この「心の技術」を身につけることで、既に過去3回以上のうつ病歴がある人のその後の再発率を半減する効果があることが、年余にわたる調査研究で判明したそうです。


以下は、誘導瞑想が入った、自習用CDの入手先です(『うつのためのマインドフルネス実践』以外で)。
リストの下に行くほど、マニアックになります。


望むあなたに変化するヒプノセラピーCDシリーズ ヤザワ・インターナショナルのウエブショップにて)…約30年にわたり催眠療法を行なってきた矢澤先生による誘導瞑想CD。自信を持つ、リラックスする、過去を手放す、ダイエット、禁煙…など、需要の多い瞑想(催眠)を、先生の声で誘導してくれます。


『ワイス博士のストレス・ヒーリング やすらぎとパワーをあなたに』
『ワイス博士の前世療法』
 ブライアン・L・ワイス、PHP研究所
一時日本でもベストセラーになり「前世(過去生)」の再体験をするという催眠療法が世に知られるようになった本『前世療法』シリーズの著者による、誘導瞑想のCDブック。邦訳ナレーションも入っています。


「タイムトラベル」シリーズ(桜井ゆみ、グリーンエナジー)
 初出が1994年ですが、息長く続いている瞑想(自己催眠)CDシリーズ。前世体験だけでなく、未来を垣間見る「未来体験」「来世体験」、過去のネガティブなできごとを書き換える「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、平行宇宙の考えを盛り込んだ「パラレルワールド体験」など、今から見てもかなり特殊かつ有効な瞑想法がそろえられ、体験できるようになっています。


・ゲイトウエイ・エクスピリエンス 第1~6巻、モンロー・プロダクツ 
ヘミシンク(左右の耳から微妙に波長の違う音を聞かせる)と瞑想(催眠)誘導により、通常よりも容易に瞑想状態に入り、対外離脱体験もできるといいます。


【セラピスト向け】

『マインドフルネス認知療法』 Z.V.シーガル他、北大路書房
 上記"The Mindfull Way Through Depression"の前に、同じ著者らが治療家向けに出した専門書。マインドフルネス認知療法開発の経緯、その効果研究、クラスのスケジュール、指導のコツなどを網羅的に解説しています。

なお、認知療法自体については、「精神医学・心理学」のカテゴリーをご覧ください。


 『無意識を活かす現代心理療法の実践と展開――メタファー、リソース、トランス』 吉本雄史他、星和書店
 
 『最新心理療法 EMDR、催眠、イメージ法、TFTの臨床例』マギー・フィリップス、春秋社
 『ミルトン・エリクソンの催眠療法入門 ――解決志向アプローチ』 W.H.オハンロン、金剛出版


(2) 夢分析

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『昨夜見た夢から「あなた」がわかる夢分析』宝島文庫
精神科医(浜野)、臨床心理士の先生など数人で分担した内容の本。
浜野の担当部分は「身近な夢10ケース」「夢日記のつけ方」などの頁です。


 『プロカウンセラーの夢分析』東山紘久、創元社
 『夢学 創造的な夢の見方と活用法』パトリシア・ガーフィールド、白揚社
 『夢の引き金解読ワークブック』ロバート・ラングス、誠信書房
 『コンシャス・ドリーミング』ロバート・モス、VOICE
 『第二の視力』ジュディス・オルロフ、VOICE
 原作出版は1996年。現役精神科医が、自らをサイキックと発表した初の自伝で、当時米国でセンセーションとなりました。この中で著者は夢の活用法、透視、予知などについても言及しています。


(3) 栄養療法など


『精神科医の栄養療法』佐藤安紀子、BABジャパン
浜野が本名で出した著書。新宿溝口クリニックで実際に行っている「分子整合(オーソモレキュラー)医学」に基づいた栄養療法の入門書で、特に外食やコンビニに食生活を依存せざるを得ない人でも自分の栄養状態を向上するために役立つ情報や、簡単なレシピ(スイーツ含む)を掲載しています。


『診たて違いの心の病』 溝口徹、第三文明社
後述 『脳に効く~』 の著者レッサー氏やその先輩のホッファー氏らによる分子整合栄養医学の流れをくみ、更に詳細な血液検査という客観データに基づきつつ、わが国での栄養療法を1997年から実施、新宿で国内初の栄養療法専門クリニックを開業された、溝口先生の3冊目の著書。中でも需要の多い精神疾患の豊富な事例とその治療法を読むことができます。精神症状がいかに身体と密接に結びついて生じるか、毎日の食事がいかにダイレクトに精神状態を作るか。目からウロコの本です。


『「うつ」は食べ物が原因だった!』青春出版社
・・・溝口先生の久しぶり(2009年)の新刊。


『脳に効く栄養』 マイケル・レッサー、中央アート出版
 ブックレビュー→「脳に効く栄養――食べ物は感情を左右する」(2005年9月28日日誌
・・・浜野が分子整合栄養医学と出合った、最初の本。これをきっかけに現在は外来診療で栄養療法を行なうこととなった、思い出深い著書ですが(上記ブックレビューもその頃書いたもの)、現在(2010年)の目からみると、本書の中にある脳の6つのタイプとそれによる食事指導の違いというのは、あまり参考にならないと感じます。


『ビタミンCがガン細胞を殺す』柳澤厚生、角川SSC新書
・・・分子整合栄養医学の開祖の一人にして生涯で2度のノーベル賞を受賞した、ポーリング博士が提唱した、ビタミンCの大量療法による抗がん作用。1970年代の発表に対し、主流医学界は30年以上もの間、無視しあるいはインチキ呼ばわりしてきました。しかし2005年、ついに米国国立ガン研究所等アメリカの最高峰の論文の中で、過去の過ちを訂正し、確かに抗がん作用があること、その推定される機序を発表するに至ったのでした。本書の著者は杏林大学教授というアカデミックな立場から一般向けに、ほとんど副作用なく抗がん作用を示す、ビタミンCの大量点滴療法を紹介しています。


『ビタミンCの大量摂取がカゼを防ぎ、がんに効く』生田哲、講談社+α新書
・・・上記、柳澤氏の著書が点滴による抗がん作用をメインとしているのに対し、本書は経口での大量摂取の範疇で、日常的な不調を予防したり治癒を助けてくれるメカニズムを説明しています。摂取量や摂取間隔など具体的な助言や、巻末には良質なビタミンCの入手先リストが載っているなど、実用的。


 『こころと治癒力』ビル・モイヤーズ、草思社
 瞑想やリラクゼーション、グループで気持ちを表現する話し合いなどを実践することにより、実際に心臓病の再発を予防したり、癌の生存率を上げています。原書の出版は1993年。米国公共放送サービス(テレビ)で放映され、日本でもNHKテレビでシリーズ放映されました。


 『癒す心、治る力』アンドルー・ワイル、角川文庫
 …生活習慣を多角的に見直すことによって病気の予防と自発的治癒力を上げるための具体的方法を詳述。著者は西洋医であり同時にアメリカを代表する代替療法医です。一部のナチュラリストのようにヒステリックに西洋医学を否定するのではなく、現代医学と代替療法各々の得手不得手を知りその両者を上手に取り入れるにはどうすれば良いかを説いており、その冷静な論調に共感できます。


『ヘルシー・エイジング』ニール・ルージェ

アメリカで20年以上にわたり、人間の体内でもともと存在するホルモンと全く同じ内容である「ナチュラルホルモン」を補充することで、40歳以降の、いわゆる更年期症状(男女とも)や、月経前緊張症候群(PMS)などの改善をしてこられた、ニール医師による一般向けの入門書。最近になりようやく日本でもPMSなどへのホルモン補充療法が知られるようになってきたものの、普通処方されるのは合成ホルモン剤であるため、長期投与による発がん性リスクや、より頻度の高い頭痛や不正出血などの副作用がしばしばみられ、体に負担になりがちです。ナチュラルホルモン療法はこうした副作用がほとんどないばかりか、体力・気力を復活させ、心筋梗塞や認知症などを予防するなど、数多くのメリットがあります。
原著"How to Achieve Healthy Aging"はアメリカのAmazon.comから輸入する必要があります(Amazon.co.jpでは扱ってません)。
邦訳書も出ているのですが、バーコードもなく、小さな編集プロダクションから出版されているようです。和訳は読みやすい文体です。入手先はこちら


(4) 絵画療法・色彩心理

 『心を探る色彩マップ――Color Life Symbol――』松村潔 飯塚書店
 …画期的絵画療法である「ライフシンボル(旧・ライフシール)」の技法のうち、色要素だけを取り出して簡便化したものに松村氏は最近力を入れておられますが、その基本解説書がこちら。簡易版でもかなりはっきりと、作品の製作者の現状が映し出されることがわかります。
   

 『答えは子どもの絵の中に』末永蒼生、講談社
 『心を元気にする色彩セラピー』末永蒼生、PHP
 …長年子供のための絵画療法教室を開いてきた著者が、絵に表れる色彩表現の基本的意味を解説した入門書。


(5) レイキ、ハンドヒーリング

『レイキ』 (アン・チャーリッシュ他、産調出版)
文庫本サイズながら、レイキの歴史、施術中どのようになるか、どのような症状に役立つかといった内容がかなり詳しく、それでいて全くの初心者にもわかりやすく書いてあり、お勧め。美しいカラー写真も豊富です。


 『レイキを活かす』タンマヤ・ホナヴォグト、産調出版
 『セラピューティック・タッチ』『ヒーリングパワー  独習セラピューティック・タッチ』いずれもドロレス・クリーガー、春秋社


(6) アロマセラピーなど

 『医師がすすめるアロマセラピー』川端一永、マキノ出版
 …著者は自らの医院でアロマを使った治療を行ない、数年前から「日本アロマセラピー学会」を設立・運営しています。単なるムードやファッションではなく、実際に化学的に有効なアロマセラピーの方法をわかりやすく解説した本。


 『バッチの花療法 その理論と実際』メヒトヒルト・シェファー、フレグランスジャーナル社


書いた人 浜野ゆり : 2014年02月16日 17:44