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人生への考え方のコツ

2010年01月10日

最近話題になっている、勝間和代氏と香山リカ氏の論戦。
私自身は勝間氏の本は読んだことはないのですが(今までのところ、買うほどの興味は引かれていないので)、朝日新聞土曜版の連載「勝間和代の人生を変えるコトバ」は、目に留まると読んでいます。
その中で最近何件か、「良いな」と感じる記事がありましたので、ご紹介します。


昨年11月28日付「自分ばかり損をしていると思うな」。
その要点は、「人は誰でも、一定の確率で幸運・不運を経験するが、そのことをどのように捉えるか(解釈するか)によって、日々のやりがいや楽しさの差になる」ということ。
自分ばかり損をしていると思う人は、起きたことについてマイナス面ばかり注目してしまい、その結果自分の気分も悪くなるし、良い種が目の前にあるときにさえそれを見逃し、次の幸運へのきっかけを手に入れ難くなるのです。


記事の冒頭で「この言葉は、読者の方からさまざまな人生相談を受ける中で、人生がうまくいく人となかなかうまくいかない人の差はここではないか、と気づいて言語化したものです」とあるように、実際の人生の舵取りに非常に重大なポイントなのです。


以前「オーラの泉」で江原啓之氏が「人をうらやましいと思うなら、その人の苦労の部分も含めて成り代わりたいかを考えてみるように」と言っていましたが、全くその通りだと思います。
「あの人はお金持ちだから(有名だから、社会的地位があるから、天職に就いているから、愛する家族との家庭があるから…e.t.c. )、人生楽しそうでうらやましい」と多くの人に思われている人も、その半生をよく調べると、貧困、親など家庭環境が非常に悪い、大病を患ったり障害を負った、過酷な差別やいじめに遭った…等々の苦労をしてきた人が少なくありません。


また「成功」したらしたで、誤解と嫉妬満載の人々にしょっちゅうバッシングを受けたり、その財産や地位を利用しようと近づいてくる人が増えたりなど、成功者ゆえの苦労があります。
そうした諸々の背景を含めて引き受けられるか?と考えれば、大半の人はイエスとはいいかねるでしょう。そこまでの覚悟はないからです。


人は基本的に、自分やせいぜい自分のごく身近な人が体験したことしか、わかりません。
それは人間の知覚の限界として仕方ないことですが、もう一つ人間に与えられた「想像力」という素晴らしい能力をぜひ使って、他人の苦労や、逆に自分の生活の中の恵まれた点に気づくことにより、「良いことばかりの人生も、悪いことばかりの人生もないのだ」という真実を実感していただけたらと思います。

書いた人 浜野ゆり : 2010年01月10日 10:10