« 思考の暴走に振り回されないために | トップページへ | 自己催眠の勧め »

(2)思考の暴走に振り回されないために

2009年09月11日

「思考の反すう(同じことを繰り返し考えてしまうこと)」を止めるための工夫を他にも幾つか、ご紹介しましょう。


1.メモっておき、特定の日時まで考えるのを保留

繰り返し考えてしまう理由の一つが、「この大事なことを忘れては大変」と思い、繰り返し思い起こしすというものなので、この「気になる内容」を手帳などに書き留めましょう。
書き付けたら、それ以上更にそのことについて考え続けるのは止め、次に手帳を見る時間を決めてからそれを閉じ、目の前の勉強、仕事、その他の作業に集中しましょう。


2.手首に輪ゴムを通し、思考が止まらなくなったらそれを引っ張ってバチッと手首に跳ね返らせる
瞬間的な痛み刺激でハッとわれに返り、思考の反すうを中断できるからです。
極端だと思いますか?
でもこれは『オプティミストはなぜ成功するか』(お勧め本棚参照)に載っている実例です。
これほどまでに、人間は「思考の反すう」にはまりやすく、脱出には工夫が必要なのです。


3.運動への集中
運動はいわゆるスポーツと呼ばれるもの、ストレッチや体操、ヨーガ、その他何でもかまいません。
要は運動という作業を通じて「その瞬間瞬間の身体の感覚に意識を集中する」ということであり、その点でいえば、身体に何かの障害があって布団からなかなか出られない人でも可能です。


例えば片腕をゆっくり布団から上げる、下げるという動きに伴なう微妙な筋肉の感覚の変化、痛みやしびれなど全ての感覚をモニターします。
究極的には、全く身体を動かさなくたって、全身の皮膚や筋肉の感覚をたどることができ、それにちゃんと集中するならば、これも立派な「作業」なのです。
上記の詳細や、これまで数千人に対して実際にアメリカの医学センターで行なわれ、大きな効果を上げてきた内容は『マインドフルネスストレス低減法』(お勧め本棚)に述べられています。


4.日常的な作業動作への集中

毎日必ず行なう、1回あたりは短時間の作業に、集中してみましょう。
例えば手洗い、洗面など、十数秒~1,2分以内くらいのものです。
普段いかに、こんな短時間でもその作業に集中することなく、過去や将来についてあれこれ考え続けているかに気づくことでしょう。


5.ひたすら繰り返し練習する!

目の前のことから意識は必ず逸れますから、そうしたらできるだけ早くまた目の前の作業に戻します。
100回逸れたら、100回戻します。
100万回逸れたら、100万回戻します。
そうしていると、次第に集中していられる頻度や時間の長さが増えてきます。
王道はありません。
スポーツと同じで、毎日の地道な繰り返し練習で上達し、確実な成果が得られるのです。

書いた人 浜野ゆり : 2009年09月11日 06:42