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夕食のみでは…
2007年03月30日
日本橋にあるクリニックにて週3回、栄養療法の外来を担当させていただいてますが、患者さんとお話していて、いくつか典型的な誤解のパターンがあることを感じます。
その1つが、ご自分の食事への認識。
様々な心身の症状をきたして受診されるわけですが、栄養療法を始めるにあたり、まず日頃の食事内容と採血検査をして、栄養状態を評価します。
この、食生活の聴取時によくあるパターンが
・朝はほとんど食べない(食欲がない、出勤前で時間がない)。
食べても食パン(または菓子パン)とコーヒー程度
・昼は会社の近くでラーメンやうどん
・夕食は家族と一緒の食事。いわゆる定食型のメニュー。
「野菜は気をつけて食べるようにしてます」といわれること多し。
・合間に間食(甘味やスナック菓子)
採血する以前に、この話から相当な栄養障害が予想されるのでその点を少しコメントすると、「でも夕食はきちんと食べてるし…好き嫌いもないので、割と栄養のバランスは取れているのではないですか?」といわれることが多いです。
確かに夕食「のみ」に注目すればそうでしょうが、1日に必要な栄養素は種類だけでなく、一定以上の「量」も必須なのです。
そして栄養療法で最も重視される栄養素の1つ、タンパク質は、現在一般に思われているよりはるかに多量を摂らなくてはなりません。
例えば体重50kgの人なら、生肉にして500g必要です。
しかし種々の症状が出ている人の場合、その半分以下(大部分の人は更に少ない)しか摂っていないのです。
毎食、何かのタンパク質おかずをしっかり付け、午前と午後の間食と夜食にもタンパク質(チーズ、卵、ナッツなど)を気をつけてちょこちょこ補給して、ようやく必要量の3分の2くらい摂ったことになるでしょう。
あと、「アミノ酸ドリンク」「スポーツドリンク」「ゼリー飲料」などは健康イメージで売っていますが、これらも結局は砂糖水と同等で、心身に害を及ぼしこそすれ栄養源にはなりませんので、ご注意を。
※栄養療法についてもっと知りたい方は、こちらへ。
書いた人 浜野ゆり : 2007年03月30日 06:36