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頭脳労働とビタミンB1
2006年10月23日
この土日は栄養療法の医師向けセミナー2回目でした。
土曜日は1320-2200、日曜日は0900-1600と、かなりびっちりでしたが、栄養に気をつけているお陰か、前回(7月)より疲れは少なかったです。
非常に興味深い内容でしたが、その中でも特に印象的だったことの1つが
「頭脳労働でビタミンB1が消耗する」
ということでした。
大学生ボランティアに数学の難題を解かせた前後の、尿中B1排泄量を測定したところ、このストレス負荷当日にB1排泄量が激増し、元の量に戻るのは3日後だったのです。
ということは、受験生は特に、B1を含むB群の補給はしっかりやることが必要、ということですね。
栄養療法セミナーでは、会場に「ビタミンB群(B1で50mg)」「ビタミンC(1000mg)」「プロテインクッキー(タンパク質5.6g相当)」が用意され、自由に摂取できるようにされていましたが、アタマの回転を維持するための配慮で、とてもユニークでかつ合理的であることがよくわかりました。
ちなみにB1をはじめB群の消耗をきたす典型的なものとして、お酒があります。
アルコールはまた、典型的な活性酸素源であり、細胞のDNAを傷つけ、
また飲酒時~その後半日程度は、尿中にカルシウムやマグネシウムを多量に排泄してしまいます。
だから飲み会に行く日は、前後にしっかりB群・カルシウム・マグネシウムを補給した方が良いですよ。
ちなみに私は遺伝上、飲酒するとその2-5時間後位に関節痛(それも主に腰・肘・膝といった大~中関節なんです)が出現する体質で、長年その理由が謎でした。
内科の教科書にも書いてないし、周りの内科医や整形外科医にも聞いてみたのですが、納得のいく答えを得られたことは皆無。
しかしそれがB1欠乏によるものと知って、とても納得。
また、インフルエンザなどで高熱を出した時、節々が痛みますよね?
あれも炎症時に、増加した白血球がB1をどんどん使うのでB1が不足したことによるものだそうです。
そういう意味でも、飲酒時や感染症の時は(Cなど他のビタミン、ミネラル、タンパク質に加えて)B群の十分な補給があると、早く回復するのでしょうね(B1レベルで100-300mg必要)。
それから、B1に関してもう1つ面白い話。
B1欠乏による神経症状の1つとして、物音に過敏になるそうです。
統合失調症の患者さんでも、幻聴・妄想に先駆けて、あるいは併存して「音への過敏性」を訴える人が時々おられますが、
こうした症状への処方として、B1 100mg+ナイアシンが良いそうです。
そういえば私も昔から、宅配業者が家のブザーを鳴らしただけで飛び上がり、相棒にによく笑われているのですが(笑)、こういうのにも効くのかな。
書いた人 浜野ゆり : 2006年10月23日 23:29
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