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若者の栄養障害と精神症状

2006年07月29日

このところ、毎週金曜日の勤務先である おはらデンタル&メディカルクリニック の外来でも栄養療法的見地から患者さんの診療をしていますが、そうすると予想以上に多くの方の精神症状において栄養障害が原因、あるいは悪化の大きな因子になっていることがわかります。


特にこの数週間で多かったのは20代の若者で、大学や就職で親元を離れて1人暮らしをしているケース。
彼らはアルバイトやサークル活動、あるいは勤務の忙しいスケジュールをこなすのに一所懸命で、食事といっても食べるのはファーストフードやコンビニなどのパンや甘いジュース、菓子類中心、飲むのも炭酸飲料や(砂糖入り)紅茶ボトル、缶コーヒーなど、およそ身体のちゃんとした栄養にならないものばかり、というのがその典型です。


それでも、若くて体力があるので最初の2-3年はそれで押し通すことができるのですが、やがて親元にいた頃に蓄積していた栄養素(タンパク質や、それらをきちんと機能させるためのビタミン、ミネラル)が枯渇すると数ヶ月以内に急速に心身状態が悪化し、「不安、不眠、イライラ、憂うつ、疲れやすい、頭が痛い、息苦しい…」といった症状となって現れます。


それでご自分でも「俺、どうしたんだろう?」ととまどい、時には別のメンタルクリニックを受診して抗うつ薬や精神安定剤の投薬も受けてから「あまり効かない…」とおはらクリニックを受診された、という方々がおられました。


ここ20-30年の健康教育の普及のお陰で「甘いものは食べ過ぎない、肉や卵を摂り過ぎると生活習慣病になる、野菜をたっぷりとるべき」という風潮がだいぶ根付いてきましたが、中には「誤解による健康常識」も多くあります。


その代表的なものの1つが「卵や肉を食べ過ぎると太り、高脂血症になる、コレステロールが上がって心臓病や脳梗塞のもとになる」というものです。
しかし肥満や高脂血症、あるいは脂肪肝(飲酒過量によるものを除く)の最大の原因は糖質(糖分、炭水化物)の摂りすぎによるものです。


一般に若い人、特に男性は肉や卵を好むことが多く、タンパク摂取ということから考えると好ましいことなのですが、
それ以上に「パン、白米、ラーメン」などの精白でんぷんや「砂糖入りコーヒーや紅茶、ジュース、スポーツ飲料、アミノ酸飲料」を毎日飲んでいると、
筋肉とスタミナが落ち、体重は増えてきやすくなります。


この理由は、上述のような糖質を多く摂っていると、タンパク質の消化・吸収に必要なビタミン群を消耗してしまい、せっかく食べたタンパク質も自分の身にならないからです。
更に、筋肉量が減ると身体の基礎代謝率(エネルギーの燃焼率)も下がるので、肥満しやすくなります。


また特に砂糖などの甘味の摂りすぎは(今回は詳細を省きますが)反応性の低血糖状態を作り出し、これが疲労感・イライラ・不安感・憂鬱感といった精神症状をもたらすのです。


なお、ジュースやキャンデーなどで「砂糖不使用」と書いてあるものでも原材料をよく確認してみてください。
そこに「加糖ブドウ糖液糖」とあれば、砂糖と同じく、タンパク吸収を妨げ、上述の症状を出してきますので、ご注意を。


下記、新宿溝口クリニックのブログもご参照ください。

書いた人 浜野ゆり : 2006年07月29日 13:45

この記事へのコメント

しふぉんさん

コメント真にありがとうございます。
病院勤務しながら、患者の皆様に上手にスピリチュアル性を感じてもらえて、それによって患者さん方が本当に癒されるような活動をする…そんな方々が今後増えていくことを心から願っています。
しふぉんさんの今後のますますのご活躍をお祈りしております。
後ほど、こちらからもサイトに書き込みをさせていただきたいと思います。

書いた人 浜野ゆり : 2006年08月04日 13:51

ゆり先生、はじめまして。

タロットとレイキとスピリチュアルが大好きで、それらのものを紹介したり、タロット遠隔鑑定+レイキ遠隔ヒーリングのサイトを作っていますしふぉんと申します。普段は心理関係の仕事で病院勤務しています。

偶然まぐまぐの紹介ページで見つけまして、サイトのほうを読ませていただいて興味を持ちました。本日クリニックの紹介記事を書きました。TB不可のようなので、コメント欄に入れておきました。

これからも更新を楽しみにしています。よろしくお願いします。

書いた人 しふぉん : 2006年08月01日 20:34

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