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おすすめ本棚
2005年07月30日
時々、「○○についての良い本は?」と訊かれます。以下は、そういったときに私がリファーすることが多い本です。
内容については、Amazon 等で各自で調べてください。
1.精神医学・心理学関係
『臨床心理士に出会うには』 日本臨床心理士会編、創元社
きちんと教育・訓練を受けた専門家に心理療法を受けたい・・・と思っても、どうやって探せば良いのか、どんな背景を持つカウンセラーなのかは、なかなかわからないもの。この本は歴史ある専門家集団による編集なので、信頼性が高いと思われます。なお最新情報は WEB版 臨床心理士に出会うには にて検索もできます。
『図説雑学 心の病と精神医学』 影山任佐著 ナツメ社
心の病のさまざまな症状から、精神医学の歴史や現代の精神医療まで、幅広く網羅した手ごろな入門書。病を過度に心配する前に、先ずは病を知ることが必要。「心の病」を知ることは、人間を知ることでもある。
『キーワードでわかる最新・心理学』 成田毅・編著 洋泉社新書
「トラウマ」「快楽殺人」「共依存」……。不可解な事件に潜む人間のこころの不思議。その深層を読み解くための心理学最新キーワードをやさしく解説している。寝転がって読める入門書。この本は東京学芸大学2001年度の1年生向け授業「こころの科学」(Science of Mind)の教科書として採用された。
『救急精神病棟』野村進、講談社
日本の精神科救急の現場や入院治療の様子を、(珍しく)偏見や、狂信的ヒューマニズムから離れて、ほぼ正確に描写したルポ。
『「困った人たち」の精神分析』小此木啓吾、新潮文庫
『みんなの精神科』きたやまおさむ、講談社+α文庫
『どうぞ気楽に精神科へ』高橋祥友、講談社
『軽症うつ病』笠原嘉、講談社現代新書
以下は、特に患者およびその家族に役立つ本。
『専門医がやさしく教えるうつ病』水島広子、PHP
『うつと不安の認知療法練習帳』デニス・グリーンバーガー、創元社
『「やせ願望」の精神病理』水島広子、PHP新書
『うつ・躁回復ワークブック』メアリー・コップランド、保健同人社
『正体不明の声――幻覚妄想体験の治療ガイド』原田誠一、アルタ出版
『オプティミストはなぜ成功するか』マーティン・セリグマン、講談社文庫
…同じ状況に出会っても、楽観主義者(オプティミスト)はじきに立ち直り、悲観主義者(ペシミスト)はすぐに絶望してやる気をなくしてしまう。どのようにこの2種の人々が出来あがるのか。悲観主義者は楽観主義者よりも簡単に諦め、職場でもスポーツその他の場でも能力以下の成績しかあげらず、健康状態も悪い。しかし悲観主義は学習によって楽観主義に変えることができる、という趣旨の本で、豊富な事例とチェックリスト等を駆使した、一般向け「認知療法」の本である。文庫で手軽ながら、内容は非常に濃く、しっかり理解するためには何度も読み返す必要がある、しかしその甲斐はあるだろう。
以下は、セラピストの卵向け。
『心理療法を学ぶ 基礎理論から臨床まで』 霜山とくじ、有斐閣選書
フロイトの精神分析、ユングの分析心理学、ロジャースの来談者中心療法という3大流派の、ごく基礎的理論を述べ、続いて各流派の初期・中期・終結期に至る流れ、それぞれの時期の課題と起こりがちな問題およびそれらへの解決法を説明。また小児や思春期患者とその家族への関わり方を解説している。とっつきやすく、全体を俯瞰するのに適した一冊。
『カウンセリングの理論』『カウンセリングの技法』 いずれも國分康孝、誠信書房
前者は精神分析、来談者中心療法の他、論理療法、ゲシュタルト療法、交流分析など、多種の理論と技法を網羅してあり、幅広く全体を見たい時に役立つ。
後者はカウンセリングの具体的な学び方、施行する場合の注意点など、実際に臨床に使うにあたって役立つ情報が書いてある。
初版はもう25年前のものだが、今でも勉強の入り口として使われることの多いロングセラーである。
『セラピストの仕事 心理面接の技術』ジョージ・ワインバーグ、金剛出版
『カウンセリング演習』福島脩美、金子書房
『カウンセリング技法入門』玉瀬耕治、教育出版
…この3冊は、カウンセリングにおいて検討すべき項目を、細かくかつ具体的に記述。実際の面接場面を想定しながら、クライアントとのやり取りも再現している。臨床を持ち始めたセラピストに役立つテキスト。
『臨床心理士になるために』日本臨床心理士資格認定協会 誠信書房
…臨床心理士になるための全てのことが書いてある。
『対象関係論を学ぶ クライン派精神分析入門』松木邦裕、岩崎学術出版社
『統合失調症の認知行動療法』デイヴィッド・G・キングドン他、日本評論社
2.代替療法
<ヒプノセラピー(催眠療法)>
『ヒプノセラピー』 ジャネット・フリッカー他著、産調出版
文庫本サイズながら、ヒプノセラピーの歴史、施術中どのようになるか、どのような症状に役立つかといった内容がかなり詳しく、それでいて全くの初心者にもわかりやすく書いてあり、お勧め。美しいカラー写真も豊富。
『あなたにもできるヒプノセラピー』A.M.クラズナー、VOICE
『あなたの人生を変える催眠療法』リンダ・ローズ、雷韻出版
『無意識を活かす現代心理療法の実践と展開――メタファー、リソース、トランス』 吉本雄史他、星和書店
(7月3日の矢澤先生のセミナー参加者の皆さんへ。当日言及したのは、上記の本です)
『最新心理療法 EMDR、催眠、イメージ法、TFTの臨床例』マギー・フィリップス、春秋社
『ミルトン・エリクソンの催眠療法入門 ――解決志向アプローチ』 W.H.オハンロン、金剛出版
『ヒプノトラベル』 榊めぐみ、朝日ソノラマコミックス
催眠療法の現場を、かなり忠実に描いています(実際の治療はもっと地味で、症状改善に時間がかかることが多いですが・・・)。意識と無意識のしくみ、暗示やイメージをどのように使うかといった説明もわかりやすく、「催眠療法とはどんなものか」の感じを理解するのに良い本(マンガ)です。
<夢分析>
『プロカウンセラーの夢分析』東山紘久、創元社
『夢学 創造的な夢の見方と活用法』パトリシア・ガーフィールド、白揚社
『夢の引き金解読ワークブック』ロバート・ラングス、誠信書房
『コンシャス・ドリーミング』ロバート・モス、VOICE
『第二の視力』ジュディス・オルロフ、VOICE
原作出版は1996年。現役精神科医が、自らをサイキックと発表した初の自伝で、当時米国でセンセーションとなった。この中で著者は夢の活用法、透視、予知などについても言及している。
<絵画療法・色彩心理>
『心を探る色彩マップ――Color Life Symbol――』松村潔 飯塚書店
…画期的絵画療法である「ライフシンボル(旧・ライフシール)」の技法のうち、色要素だけを取り出して簡便化したものに松村氏は最近力を入れておられるが、その基本解説書がこちら。簡易版でもかなりはっきりと、作品の製作者の現状が映し出されることがわかる。
『答えは子どもの絵の中に』末永蒼生、講談社
『心を元気にする色彩セラピー』末永蒼生、PHP
…長年子供のための絵画療法教室を開いてきた著者が、絵に表れる色彩表現の基本的意味を解説した入門書。
<レイキ、ハンドヒーリング>
『レイキ』 (アン・チャーリッシュ他、産調出版)
文庫本サイズながら、レイキの歴史、施術中どのようになるか、どのような症状に役立つかといった内容がかなり詳しく、それでいて全くの初心者にもわかりやすく書いてあり、お勧め。美しいカラー写真も豊富。
『レイキを活かす』タンマヤ・ホナヴォグト、産調出版
『セラピューティック・タッチ』『ヒーリングパワー 独習セラピューティック・タッチ』いずれもドロレス・クリーガー、春秋社
<アロマセラピーなど>
『医師がすすめるアロマセラピー』川端一永、マキノ出版
…著者は自らの医院でアロマを使った治療を行ない、数年前から「日本アロマセラピー学会」を設立・運営している。単なるムードやファッションではなく、実際に化学的に有効なアロマセラピーの方法をわかりやすく解説した本。
『バッチの花療法 その理論と実際』メヒトヒルト・シェファー、フレグランスジャーナル社
<心と身体の関わり>
『脳に効く栄養』 マイケル・レッサー、中央アート出版
ブックレビュー→「脳に効く栄養――食べ物は感情を左右する」(2005年9月28日日誌)
『食事で治す心の病』 大沢博、第三文明社
上の『脳に効く~』の簡易版のような本。文章がやや感情的、研究の背景がわかりにくいといった点があり、私は『脳に効く~』を読むまで、この本の内容が信じられなかった。しかしこの栄養療法の雰囲気をちょっとだけ見てみようという人には良いかもしれない。
『こころと治癒力』ビル・モイヤーズ、草思社
…瞑想やリラクゼーション、グループで気持ちを表現する話し合いなどを実践することにより、実際に心臓病の再発を予防したり、癌の生存率を上げている。原書の出版は1993年。米国公共放送サービス(テレビ)で放映され、日本でもNHKテレビでシリーズ放映された。
『癒す心、治る力』アンドルー・ワイル、角川文庫
…生活習慣を多角的に見直すことによって病気の予防と自発的治癒力を上げるための具体的方法を詳述。著者は西洋医であり同時にアメリカを代表する代替療法医である。一部のナチュラリストのようにヒステリックに西洋医学を否定するのではなく、現代医学と代替療法各々の得手不得手を知りその両者を上手に取り入れるにはどうすれば良いかを説いており、その冷静な論調に共感できる。
『なまけ者の3分間瞑想法』デイヴィッド・ハープ、創元社
…「瞑想=山寺で座禅」ではない。普通の人が日常生活を送りながら、いつでもどこでも瞑想する方法、それによるリラックスをはじめとする「心のフィットネス効果」に、読者は驚くことだろう。
3. 占い
『Stargazer for Windows ではじめるパソコン占星学』小曽根秋男、技術評論社
『完全マスター 西洋占星術』 松村潔、説話社
…松村先生がこれまで教えてこられた内容を総合的に網羅した、占星術入門書。非常にわかりやすく、お勧めです。
『決定版!!サビアン占星術』 松村潔、学研
…従来出版されていた類書に比べ、オカルト色や著者の個人的好みといった偏りが大幅に排除され、数秘術や「多様な世界観を統合することによって人格を進化させていく」ためのツールとしてサビアンシンボルを位置づけており、一種の思想書として非常に勉強になります。
もちろんホロスコープを使った鑑定にも実践的に使えます。
またこの本は松村先生の絵画療法「ライフシンボル」で惑星を描く時にも役立ちます。
『占星術研究会』松村潔、シャングリラ・プレス
これぞ占星術版「症例検討会」。日本の占星術の本でこういったものは他に例を見ない、貴重な書。中級者向き。
『タロット教科書』マルシア・マシーノ、魔女の家BOOKS
特に第1巻は、厚すぎず薄すぎず、大小アルカナ全ての解説が載っており、はじめの一冊としてお勧め。
風水入門者用
(良書)
『林秀静のハッピー八宅風水』 林秀静、カナリア書房
本命卦による自宅の方位の吉凶を中心とした、初歩の風水テキスト。玄関の向きによる方位の吉凶をみる方法は省略されているが、そのぶんシンプルであり、正しい風水を勉強するための最初の1冊としてお勧め。
『風水鑑定教科書』松永修岳、一光社
8つの宅タイプ(宅卦)、本命卦、地形やインテリアの形とその気の吉凶の考え方、凶の気の改善法など、正しい風水の初歩が一通り網羅され、後半には実際の図面を使っての鑑定練習問題もある。健康と色、健康と宅各部の細かい対応については「どこまで確認できているのか?」との疑問もあるが、現在日本語で出ている一般向け風水書の中では、かなりちゃんとしたものと判断する。上の『林秀静の~』をもう一歩踏み込んだ感じなので、2冊目として良いだろう。
『風水 秘密の開運法則』鎌崎たくひろ、住宅新報社
『華僑の風水学』『風水で運を呼び込む大事典』 いずれも鮑黎明、東洋経済新報社
(8つの宅卦と8つの本命卦、8×8=64通りの組み合わせ別の吉凶方位解説がしてある点がわかりやすい本)
『100日で結婚できるハッピー風水』宝生翠、(有)テイアイエス
『実践 効く風水』陳恵運、飛鳥新社
(美しい写真が多数。「好風水な部屋とはこういうものか」と視覚的にわかるムック)
『風水インテリア』サイモン・ブラウン、小学館
『風水流がらくた整理法』メアリー・ランバート、産調出版
『風水が予言していた大事件・大事故』大石眞行、竹書房文庫
『現代易入門』井田成明、明治書院
『梅花心易入門』鎗田宗准、たま出版
現役精神科医による占星術教科書
Anthony Louis"Horary Astrology Plain & Sinple Llewellyn Publications"
『占星学ベスト・テキストブック』ノエル・ティル他、魔女の家BOOKS(ルイス氏は「月のボイド」の章を担当)
Mitchell E. Gibson"Signs of Mental Illness --- An Astrological and Psychiatric Breakthrough" Liewellyn Publications
4.願望実現法
『幸せな宝地図であなたの夢がかなう』望月俊孝、ゴマブックス
…願望実現の要は「頻繁に体験する視覚的イメージ・感情・感覚は無意識に刷り込まれ、それに応じた現実を引き寄せる」という点である。本書はこのうち特に、写真などの視覚的イメージを大きなコルクボードにコラージュし、毎日眺めていれば実現するというもので、正しいワークと共に使えば効果も高い方法の1つである。そのワークの一部も本書の中に書いてある。
『恋とお金と夢に効く!幸せな奇跡を起こす本』佳川奈未、ゴマブックス
引き寄せワークに必要な要素の、重要な部分をかなりコンパクトにまとめてある。中でも特に重要なのが「恋人や結婚相手はむやみに探し歩くものではなく、自らの内で引きつけるもの(行動化はその後)」というのと「お金持ちになるためには、それに先立って、高額なお金の持つ『気』をまとうことに慣れる必要がある。そのための行動法はこれ」という点が書かれていること。
『「ライフワーク」で豊かに生きる』 本田 健、ゴマブックス
・「ライフワーク」とは、特定の職業のことではない
・ まず、「自分にもライフワークがある」こと、「ライフワークで生活し、その楽しみやお金を受け取る(自分にその許可を与える)必要がある」 といった、『クリエイティング・マネー』に書かれているのと同じ「天職とお金の法則」を、より一般に受け入れられやすい用語を使って非常にわかりやすく説明している。
私は下記のものをはじめとする、サネヤ・ロウマンの本を最も評価するが、今やほとんど入手困難である。上の3冊は現在入手しやすい本の中ではかなりお勧めできる入門書といえる。
『クリエイティング・マネー』サネヤ・ロウマン&デュアン・パッカー、マホロバアート
→エッセイ「お金を生み出す」も参照。
5. その他
『薬と食べ物の怖い副作用』古泉秀夫編、法研
『理系の女の生き方ガイド 女性研究者に学ぶ自己実現法』宇野賀津子他、講談社ブルーバックス
『女は愛でバカになる』田嶋陽子、集英社be文庫
…女性が社会/文化の中での自分の位置を自覚した時にぶつかる数々の疑問について考える際、学ぶことになるのがフェミニズムである。ここでは出版が新しく、内容が網羅的でとっつきやすく、値段も安価という意味で、とりあえずこの一冊だけ挙げておく。
書いた人 浜野ゆり : 2005年07月30日 15:58