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意識

2005年06月21日

 数日前の新聞に、埼玉県で発見された双頭の蛇のニュースが載っていました。 
30cmほどのアオダイショウだそうですが、「個を主張して、餌の奪い合いをすることもある」との
こと。
 ということは、体が1つでも意識は2つ独立してある、ということですね。
「意識がどの程度の生物から存在するのか」「意識とは何か」というのは昔から哲学者やら生物学者、脳科学者などが繰り返し議論してきたところですが、とりあえず「自分が自分であること」すなわち「自己と 他者の区別」というのがポイントとなるでしょう。
 この意味で、上述の蛇は確かに「個の意識」を持っているといえます。

 いくら同じ体の栄養になるとはいえ、人間でも相方ばかり食べるのはきっと嫌だろうなあ。人間の場合特に、単純な栄養補給というよりも食べる楽しみ、味覚の楽しみが食事の大きな目的ですから。
 それと気になるのが、双頭で一身の相方と喧嘩した時とか、非常にアンビバレントだろうなということ。
相手を憎く思って頭をポカンと叩いたら、そのまま自分も痛いのだろうしなあ・・・。

 そこから思い出したのが、あんこうのこと。
 ご存知あんこう鍋などで食される深海魚ですが、これは雌雄の体格差が非常に(数十倍?)大きく、繁殖期になると体の小さなオスは巨大な雌のお腹というか、喉元に食いつき、そのままどこへ行くにも一緒、文字通り「添い遂げる」といいます。
 それどころか、噛み付いているうちに雄と雌の体の中で血管がつながり、ついにはその血管から雄の体が雌の中に栄養として吸収されてしまうのだそうです。

 自然界の中には人間の常識や価値観を軽~く飛び越える生態系がいくつもありますが、このあんこうの話を聞いた時にも、仰天しました。
 その時思ったのは、(魚に意識があるとすれば)雄はいつまで個の自覚が保たれていたのだろうか、自分が吸収されていくという体験は主観的には一体どんなものなのだろうか、というものでした。
おそらく途中からぼんやりして、わからなくなっているうちに雌の一部に同化していくのではあるまいか、と希望的憶測をしてみたのでした。

書いた人 浜野ゆり : 2005年06月21日 11:01

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